自民党が圧倒的強さで勝利し、前回選挙で大量当選した1回生議員もほぼ全員再選を果たした。かつてないこの勝ち方は安倍晋三首相と政権への信任を示すもので、政権基盤はさらに強化された。
≪戦後の病根に切り込む時期≫
民主主義国における選挙結果は国民の意思である。それは日本が直面する内外の諸問題-中国の脅威と米国のアジア政策に関する不安、憲法改正の歴史的必然性、皇位継承と皇室問題、経済成長のための改革-これらの重要課題の解決を安倍首相に期待する国民の声に他ならない。戦後体制の病根に本質的に切り込む時期は、今を措(お)いてない。その大事な局面で強固な政権基盤を与えられた首相は、まさに歴史的使命を担うべき宰相なのである。
中国の習近平国家主席が11月末の中央外事工作会議で重要方針を発表した。アメリカ一極体制が多極化に向かっており、この流れは変わらない、既存の国際社会の制度や秩序に挑戦し、中国の主張をより強く反映させていくという内容だ。国際法や国際秩序への中国の挑戦は「南シナ海の中国の領有権は2千年前から確立されている」とする主張や、防空識別圏や排他的経済水域に関する彼ら独自の法解釈によっても明らかだ。