15日昼前、民主党代表の海江田万里は都内のホテルで幹事長の枝野幸男と向き合った。ともに衆院選で首相(自民党総裁)の安倍晋三に「狙い撃ち」されたが、枝野は埼玉5区で辛勝した。海江田は比例復活もかなわず、落選の憂き目に遭った。
「代表を辞任させていただく。いろいろありがとう…」
神妙な面持ちでそう語る海江田に枝野は黙って頭を下げた。その後、代表代行の岡田克也、参院議員会長の郡司彰も加わり「敗戦処理」を協議したが、海江田は「後は全部任せる」とほとんど口を挟まなかった。
午後3時、海江田の辞任会見が東京・永田町の党本部で行われた。
「民主党の団結を守って来春の統一地方選で確実に民主党を再生させていけるよう心から希望します。再生は道半ばだが、前に向かっての着実な一歩だった。私はこれから一党員としてできるだけのことをやっていきたい」
うっすらと涙ぐんでいた14日夜とは違い、さばさばした表情だったが、言葉は力なく、得意の漢詩をそらんじることもなかった。