難航分野の溝埋まらず TPP首席交渉官会合が閉幕

 【ワシントン=小雲規生】米ワシントンで開かれていた環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加12カ国の首席交渉官らによる会合が12日、閉幕した。一定の進展はあったが、難航分野の溝は埋まらなかった。12カ国は来年1月にも事務レベル協議を再開し、大筋合意の舞台となる閣僚会合の開催につなげる方向で調整する。

 今回の会合は難航分野のうち民間企業との競争条件を公平にする国有企業改革や、貿易・投資促進のために環境基準を緩め過ぎないようにする環境分野のルールづくりで議論が進んだ。

 ただ、新薬を開発する際の臨床データを独占できる期間の延長など知的財産分野は担当交渉官の作業部会も開けず、論点整理にとどまったとみられる。

 知的財産分野は米国と新興国の対立が解けず、交渉の最後まで最難関の課題として残される懸念が強まっている。

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