■借入先選びに「APR」活用
住宅ローンを組む際に、表面金利の低さだけで借入先を選んではいませんか? 住宅ローンは3000万円の借り入れに、60万円超の手数料が発生することも珍しくない。表面金利の低さだけに目を奪われていると、諸費用がかさんで、結果的に総支払額が高くついてしまうことも。「APR」という指標を参考に、賢くローンを組みたい。
APRとは表面金利だけでなく保証料や借入利息、融資手数料など住宅ローンの借り入れにかかる全費用を考慮し、年の利回りを換算したもの。米国では金融機関に対し、顧客から住宅ローンの申し込みがあった3日以内に、APRを提示するよう義務付けている。
APRの長所は、金利のタイプが同じ商品を比較する際に、どちらの商品が有利かすぐに判断できること。
一方で、万能な指標ではないので注意も必要だ。APRは、変動タイプと固定タイプというように、条件が異なる商品の比較には向かない。変動タイプは途中で金利が変わる可能性があるので、仮定で計算するしかないためだ。
空前の低金利が続く中で、今を住宅の買い時と考えている人は多い。住宅金融支援機構の調査「平成26年度下半期における住宅市場動向」によると、一般の消費者とファイナンシャルプランナーともに7割超が、現在を「住宅の買い時」あるいは「どちらかといえば買い時」と考えていた。
住宅ローンアドバイザーの淡河範明さんは「低金利の住宅ローンや、一見初期費用も安く良いサービスに見える商品がたくさん出ていますが、総費用が本当に安いかは分かりにくいのが現状です。特に借入額が多く、返済期間の長い人にはAPRを活用してほしい」と話している。
APRは、フラット35のホームページにある「返済プラン比較シミュレーション」を使えば、自分でも簡単に計算できる。