愛媛県は、県内に生息する野生生物の絶滅の危険度の評価結果をまとめた県レッドデータブックを改訂した。県レッドデータブックは平成15年にまとめたが、初めての改訂。1773種を掲載しており、絶滅種は28種、絶滅危惧種は1027種。環境省が絶滅種に指定した県獣のニホンカワウソは絶滅危惧種に据え置いた。
県は、専門家らの調査でレッドデータブックの改訂を進めていた。このうち、ニホンカワウソは昭和50年に宇和島市九島で捕獲されたのを最後に生息が確認されていない。県の絶滅種の判断基準になる50年を経過しておらず、同省が絶滅種に指定した平成24年8月以降も県内外で計33件の目撃情報が寄せられたことから絶滅危惧I類とした。
今回の改訂では、ニホンカモシカ▽ヤツメウナギ科のスナヤツメ種群の1種▽ヒバリモドキ科の昆虫類、ハマスズ-などを絶滅種に追加。逆に陸・淡水産貝類のオカミミガイや海産貝類のスダレハマグリ、植物のトチカガミなどが絶滅種ではなくなった。
一方で、アカウミガメが絶滅危惧II類から同I類、身近な生物のドジョウが準絶滅危惧種から絶滅危惧II類と絶滅の危険度が上がった。
レッドデータブックは県内の市町や小中学校、図書館などに配布する。1冊2160円で主要な書店で販売している。問い合わせは岡田印刷(電)089・941・9111。