【関西の議論】「不便は生活を豊かにする」? 「素数ものさし」が大ヒット 〝不便益〟研究する科学者集団の狙いとは(3/3ページ) - 産経ニュース

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「不便は生活を豊かにする」? 「素数ものさし」が大ヒット 〝不便益〟研究する科学者集団の狙いとは

ロック解除しにくスマホ、使うほど消える地図…

 このほかにも、最初の設定で決めた通りの身ぶり手ぶりを再現しないと解除できないスマートフォンのロック画面アプリや、よく使うルートを通れば通るほどその道路が地図から消えていくカーナビなど、数多くの独創的なアイデアを発信し続けている。

 時には、「人工のモノから離れて自然に返れ」と主張する運動や、「不便だった昔の方がよかった」といった懐古主義と同一視されそうになることもある。

 しかし、川上教授はそんな見方を否定するのだ。

 「便利のいいところはもちろん大事。すべて不便にせよというのではない。ただ、今まで見過ごしていた不便益には、ちょっとだけ人々の生活を豊かにするヒントがあるかもしれない、ということ」

 今春から、将来の社会のあり方を描き出すリーダーとなれるような人材の育成を目指す京都大の「デザイン学ユニット」で教授を務めている川上教授。その教科書にも不便益の考え方を盛り込むつもりだ。

 「まだまだ研究は道半ばだが、いずれは不便益の方法論を構築するところまでいきたい」

 川上教授らが挑む独創的な不便益の研究は、便利さを追求してきた人間社会に新たな方向性を与える道しるべになるだろうか。