愛知県は「民主王国」といわれ、平成21年の前々回衆院選では民主党が全15選挙区を独占した。前回24年の衆院選では、民主党への逆風に乗じて、自民党が逆に13選挙区で勝利したが、今回はどうなるのか-。
安倍晋三首相が「愛知県で一番厳しい選挙区になる」とみるのが、名古屋市東南部の愛知3区だ。ベッドタウンが広がる同区は、当選6回の民主党ベテラン、近藤昭一元環境副大臣の「金城湯池」だった。
前回は、ここに名古屋青年会議所理事長、日本青年会議所(JC)会頭を歴任した池田佳隆氏が自民党新人として挑み、約3700票差で辛勝した。3区で自民党が勝ったのは初めてだった。
JCといえば麻生太郎副総理兼財務相の牙城だが、池田氏は「安倍のまな弟子」を自任する。18年7月、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した際、たまたま面会した首相(当時官房長官)に「日本は大丈夫ですよね」と聞くと首相はこう言った。「安心してください。日本は私たちが必ず守ります」
この言葉に感動し、政治家を志した池田だが、今回その表情は厳しい。