あの人の本

石原慎太郎氏が新著『エゴの力』刊行で熱弁 「役人よ、趣味を持て」「勘違いは大事」

【あの人の本】石原慎太郎氏が新著『エゴの力』刊行で熱弁 「役人よ、趣味を持て」「勘違いは大事」
【あの人の本】石原慎太郎氏が新著『エゴの力』刊行で熱弁 「役人よ、趣味を持て」「勘違いは大事」
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石原慎太郎氏が新著『エゴの力』を刊行した。政治活動のかたわら健筆をふるう石原氏がこの本を執筆したのは「このごろ、いい意味でエゴの強い人間がいなくなってしまった」と感じたことが契機だったという。版元によると初版2万部で、発売3日目で1万部増刷と好調なスタートを切っている。刊行の意図について、石原氏に話を聞いた。(溝上健良)

日本人は優秀な民族

エゴと聞くとエゴイズム(利己主義)やエゴイストといった単語を連想しがちだが、もともとエゴ(自我、自己)とは悪い意味で使われる言葉ではない。石原氏は著書の冒頭で「エゴとは人生を左右する力、人間の個性。個性とはその人間の感性の発露以外の何ものでもない」と定義している。この定義を念頭に話を聞いていきたい。

石原氏は語った。「発想力のある人間が歴史を変えてきたわけで、発想力とは結局はその人間の個性であって、個性をつくるのは感性だ。その(感性の)発露が発想力になっている。もともと日本人は民族的にいいDNAを持っているんだね。アンドレ・マルローは『永遠を一瞬の中に凍結できるのは日本人だけだ』と言っていたけれど、俳句などはまさにそうだし、漢字を使いこなす上にカタカナ、ひらがなと2つの表記を持っている民族なんて他にないわけで、日本人は極めて優秀な民族だと思いますよ。だから紆余(うよ)曲折はあったけれど、有色人種の中で植民地支配を免れて近代国家をつくったのは日本人だけだ」

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