アベノミクスを再浮揚させるためには、まずは失ったGDPを取り戻すことだ。それには先の金融緩和追加策に加えて第2の矢である財政出動が鍵になる。
変則的な集中執行による弊害が目立つ公共事業よりも、中低所得者向けの消費税増税負担軽減策や所得税減税の方が効果は大きい。前向きに検討すべきだろう。公共事業は地方創成や国土強靱化の中長期的な枠組みの中で持続的に配分すればよい。
メディアにも財務官僚に「洗脳」された増税勢力は少なくない。今後も「増税見送りによる財源不足」を盛んに喧伝し、「財政再建危うし」と騒ぐだろう。
だが、実態をよく見てほしい。9年度の3%から5%への消費税増税以降、25年度までの17年間の合計で消費税収は68兆円増えたが、増税後のデフレとともに消費税収を除く税収は163兆円も減っている。
それでも「増税=財政再建」と思い込み、思考停止に陥る増税版「バカの壁」は日本列島津々浦々に張り巡らされている。その壁の突破に挑戦するのが本来のアベノミクスである。