政権の是非を問う

=消費増税先送り= 増税版「バカの壁」との戦い これが衆院選の大義だ 財務省お手盛り会合に首相も激怒 

 集中点検会合では、地方自治体、労働界、財界、中小企業団体、消費者団体の各代表の圧倒的多数が予定通り「増税やむなし」と説いた。財務省に受けのよい学者は「増税見送りの政治コストが大きい」と政治論まで引っ張り出すありさまで、脱デフレ策を聞かれると「1、2時間では説明できない」と逃げた。

 財務省寄りの金融機関系アナリストは7~9月期の景気不振の原因について「天候不順」はもとより「エボラ出血熱」まで持ち出した。それで景気が悪化するなら今頃、世界大恐慌になっているだろうに…。

増税デフレの税収減は163兆円

 再増税を1年半先送りにしても、消費税率8%という巨大な重荷はついて回る。

 平成25年初めのアベノミクス開始以来増え続けてきた実質GDPはこの7~9月期で前年より5・7兆円減った。年2%台の実質経済成長率を維持していれば、16兆円以上増えていたはずなのに逆ブレしてしまったわけだ。このままだと今年度の実質経済成長率はマイナスに舞い戻る。

 グラフを見てもわかるように、過去の自公政権は経済成長率が高くなると有権者の支持を集め、マイナスになると民主党が躍進している。

 首相が今回のタイミングでの解散・総選挙を逃せば、来春以降、支持率を大きく減らし、政権が揺らぐ恐れもあった。そうなるとアベノミクスは雲散霧消してしまいかねない。

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