【主張】慰安婦問題 繰り返し「事実」主張せよ - 産経ニュース

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慰安婦問題 繰り返し「事実」主張せよ

 米国の学校教科書に、旧日本軍が慰安婦を「強制連行」したなどとする事実誤認の記述が見つかり、外務省が出版社に是正を要請した。適切な対応である。

 日本をおとしめ、国益を損なう誤解を広げないため、機会を逃さず事実によって正していくことが欠かせない。

 問題の記述は、ロサンゼルス市などの一部の公立高校で使われている世界史の教科書にあった。

 慰安婦問題は、先の大戦を扱った章で取り上げられ、事実に反する記述が目立つ。例えば「日本軍は14~20歳の約20万人の女性を慰安所で働かせるために強制的に募集、徴用した」などと記されていた。「日本軍は慰安婦を天皇からの贈り物として軍隊にささげた」という耳を疑う記述もあった。

 また日本の江戸時代に関する項目の地図中で「日本海(東海)」と韓国側の呼称を併記していた。日本海は国際的に確立された呼称であり、不適切だ。

 米国の教科書をめぐっては、韓国系団体が「東海」併記を求めている。そうした政治的運動を教育の場に持ち込むべきでないのは当然である。

 この教科書は米国の大手教育出版社がつくっており、問題箇所は同じ執筆者が書いたという。

 外務省が「重大な事実誤認がある」などと是正要請したのに対し、出版社側からは、責任者が協議に応じるという回答があった。同省は執筆者にも修正を申し入れるという。

 教科書では、実証的研究に基づくバランスのとれた記述が求められるのは米国も同じだろう。出版社側も修正してもらいたい。

 慰安婦問題をめぐり、日本政府は反論はかえって反発を招くとして躊躇(ちゅうちょ)していたが、客観的事実に基づく対外発信強化を始めた。

 慰安婦を「性奴隷」とした国連人権委員会の「クマラスワミ報告書」に対しても、朝日新聞が吉田清治氏の証言に関する記事を誤報と認め取り消したのを機会に、一部撤回を要請している。

 国際社会で何も言わなくては認めたことになる。放置していては問題は動かない。誤解を正すには今回のように事実を言い続け、地道な反論を重ねていくことが肝要だ。事実を突きつければ動く。

 根拠なく、事実の発信を縛っている河野洋平官房長官談話の見直しも欠かせない。