スポーツ雑記帳

「競走馬をムチで打つな」日本馬突然死で愛護団体「虐待まがい要求」に競馬界当惑

 日本競馬界にとって残念な訃報が入った。11月4日に豪州メルボルンのフレミントン競馬場で開催されたオセアニア最大のレース、メルボルンカップ(GI、芝3200メートル、22頭)で、日本から参戦したアドマイヤラクティ(牡7歳)がレース後に急死した。前走のGIレースを勝って単勝1番人気に推され、残り600メートルまで2番手を追走する好レースをしていただけに関係者の落胆ぶりはいかばかりか。死因は心不全とみられるが、アドマイヤラクティの死によって、愛護団体からムチ使用禁止の要望が出るという思わぬ事態にまで発展した。

 アドマイヤラクティは10月18日の前走、コーフィールカップ(GI、芝2400メートル、22頭)で2着に0秒4差をつけて優勝していた。この結果を受け、メルボルンカップでは1番人気に支持された。期待に応えるように2番手の好位でレースを進めていた。

 ところが、残り600メートルで異変が発生。ズルズルと後退し、勝ち馬から73馬身差の最下位22着に終わった。主催者によると、馬房に戻ったところ倒れたという。日本中央競馬会(JRA)は11月13日、死因が急性心不全だったことを明らかにした。

 メルボルンカップから一夜明けた5日、地元メルボルンの新聞はアドマイヤラクティの急死を大きく報じた。地元の有力紙「ヘラルドサン」と「ジエイジ」は「必ず勝てると思っていた」というザカリー・パートン騎手のコメントや他陣営からの驚きや哀悼の声を掲載した。

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