番頭の時代(1)

かわいくない部下の典型新浪剛史氏が壊すサントリーの大企業病…外からの「やってみなはれ」に賭ける創業家

 10月1日、東京・台場のサントリーHD東京本社。大柄な体をグレーのスーツに包んだ新浪は、トレードマークの日焼けした顔から真っ白な歯をのぞかせ、第一声を放った。

 「やってみなはれ」

 横浜生まれの新浪に関西弁は似合わないが、失敗を恐れず、挑戦心を促すこの言葉はお気に入りだ。新浪は「『やってみなはれ』のスピリットで、ともに挑戦していこう」と力強く訴えかけた。その姿は社内ネットで再生され、社員に改革への第一歩を印象づけた。(敬称略)

【番頭の教え】

番頭が次世代リーダー育てるべし

 ずば抜けた社長は、次のリーダーを育てることが得意ではない。リーダーの力で成長を成し遂げてきた企業を永続的なものにするには、意図的にリーダーを育成しなければならない。「BANTOU」が果たす役割は社長を支えることだけではない。次の世代を考え、次のリーダーを意図的に育てる役目を果たす必要がある。同時に、次の「BANTOU」を育てる力量も必要。新浪氏の登用はローソンを成長させ続けた実績だけではない。ローソンの次のリーダーを育てた実績も魅力的だったはず。(ビズグロー代表 杉村知哉)

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