家庭に眠る食品を福祉に 静鉄ストアとNPO「フードバンク」連携

 企業や家庭で余った食料を必要とする人に無償で配給するNPO法人「フードバンクふじのくに」は10日、県内でスーパーを展開する「静鉄ストア」(静岡市)と連携し、店頭に食品回収ボックスを設けて家庭に眠っている食品を募る取り組みを始めた。期間は20日までの10日間。官民一体で食のセーフティーネットを築くことが狙いで、今後は回収ボックスの設置店舗を増やすなどして支援の輪を広げたい考えだ。

 フードバンクふじのくには、5月に県内のNPOや福祉団体など約10団体が協力して設立。品質に問題がないものの、外箱の印字ミスや破損で流通できなくなった食料の寄贈を呼び掛けて、福祉施設などを通じて生活困窮者に届ける「フードバンク」事業を実施している。コメの国内生産量に匹敵する500万~800万トンの食料が毎年破棄されているといい、食品ロスの削減などの効果が期待されている。今回は、多くの市民にフードバンク事業を知ってもらおうと、静岡市と富士市の「しずてつストア」計8店舗に食品回収ボックスを設置した。食の安全性を確保するため、賞味期限が1カ月以上残っていることや未開封の食品であることが条件で、缶詰や乾麺、コメなどを広く募っている。アルコールや生鮮食品は受け付けていない。

 この日、しずてつストア安東店(静岡市葵区)では店頭に食品回収ボックスが登場し、買い物客に協力を呼び掛けていた。

 近くに住む主婦の女性(61)は「こんな事業があるなんて全く知らなかった。まだ食べられるのに捨てるのはもったいない。困ってる人にあげるのはいい考え」とうなずく。

 近くに住む無職の男性(65)は「10日間でどれだけの食料が集まるのだろうか。家に贈答品のレトルト食品がいっぱいあるので、食べきれないようだったら今度持ってこようかな」と話した。

 同社は、来年1月以降も毎月10日間、食品の寄贈を呼び掛ける方針で、食品回収ボックスの設置店舗を増やすことも検討していくという。

 フードバンクふじのくにの鈴木和樹事務局次長(33)は「地域に根ざしたスーパーが協力してくれるのはとてもありがたい。市民に事業を浸透させて、『困ったときはお互いさま』という社会を構築していきたい」と話した。