埼玉の産官学で次世代住宅 「地産地消」の断熱材など技術開発

 県は県内外の産学と連携し、「断熱」をテーマに次世代の住宅技術の研究開発に取り組んでいる。今年度、県内で発生した廃木材や間伐材を有効活用する「地産地消」型の高性能断熱材のほか、窓用ガラスフィルム、戸建て向けの地中熱ヒートポンプの開発に向けた3事業で研究会を相次いで設立。県は「平成28年度までに製品化し、県内の住宅に普及させ産業の拡大を図りたい」としている。

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 住宅の省エネルギー化をめぐっては、改正省エネ基準が25年10月に施行され、国は32年までに改正基準への適合を義務化する方針を示している。この動きに合わせ、県は今年度、先端研究と中小企業の技術を融合して成長産業を創出する「先端産業創造プロジェクト」の一環として研究会を立ち上げた。

 「木質系断熱材技術開発研究会」には、製材業者や建設会社、住宅メーカーの研究機関など県内11社を含め、足利工業大(栃木県足利市)など計22企業・団体が参加した。

 断熱材の原料には、製材工場の削りくず▽住宅用木材の事前加工で発生するプレカット廃材▽間伐材を加工した木片▽新聞古紙-などを想定。初の試作品では、出荷割合が全体の約50%を占めるリサイクルガラス原料のグラスウール断熱材の性能に「少し届かなかった」(県担当者)という。

 今後、試作を進めて原料の混合割合などの仕様を26年度中に決定。グラスウールにない調湿・吸音性能を持たせ、28年度までに性能評価や実証実験を行い新製品を完成させる。

 すでに木質系断熱材は実用化されているが、グラスウール断熱材と比べ約2倍の価格が普及を妨げており、出荷割合は約1%にとどまっている。県の担当者は「県内の廃材を利用することで原料コストは抑えられる。加工コストをいかに抑えられるかが重要になる」としている。

 県は断熱材以外にも、地上の熱交換器を不要にすることで低コスト化した空調・給湯用地中熱ヒートポンプシステムや、付着した砂などの除去が容易になる親水性コーティングを施した断熱ガラスフィルムの開発を進めている。県は26年度、研究費4100万円を含む補助金計5687万円を支出している。(川畑仁志)

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