日本の議論

「少年受刑者」報道陣のカメラにも動じず黙々作業 償いと更生の現実とは…女性記者が見た少年刑務所塀の中

【日本の議論】「少年受刑者」報道陣のカメラにも動じず黙々作業 償いと更生の現実とは…女性記者が見た少年刑務所塀の中
【日本の議論】「少年受刑者」報道陣のカメラにも動じず黙々作業 償いと更生の現実とは…女性記者が見た少年刑務所塀の中
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 埼玉県川越市の川越少年刑務所で10月、記者を対象とした施設見学会が行われた。新聞記者という仕事に就いて2年が経ち、県警担当として凶悪事件の取材にも携わるが、私たちの仕事は基本的に地方裁判所での判決を見届けたところでいったん終結する。「あの事件の犯人は、その後どうなったんだろう」。日々の業務に追われて頭の片隅に追いやっていた疑問に、改めて向き合う貴重な経験となった。(さいたま総局 川峯千尋)

998人、平均年齢26・1歳

 昔ながらの街並みが残る小江戸・川越市。そこから少し外れた同市南大塚の住宅がまばらに広がる閑静な場所に、川越少年刑務所がひっそりとたたずんでいる。周囲を塀で囲まれているが、意外と威圧感はなく、刑務所前の通りを穏やかな表情で近隣住民が行き来していた。

 総敷地面積は約17万平方メートル。東京ドーム3・6個分に相当する広大な敷地に、10月末時点で998人の受刑者が収容されている。「少年」の看板を掲げているが、収容対象者は26歳未満で、刑期10年未満の男子受刑者。「青少年刑務所と呼ぶ方がふさわしいかもしれません」と、同所の木村昭彦所長(58)から説明を受けた。

 受刑者の平均年齢は26・1歳で平均刑期は4・2年。犯罪別に見ると、窃盗21・5%▽強盗・同致死傷17・6%▽強姦・同致死傷14・2%▽強制わいせつ10・1%▽詐欺11・5%▽覚醒剤4・7%-など(いずれも平成25年12月31日時点)。

 歴史は古く、施設の沿革は明治35年、埼玉県監獄署川越支署を少年監としたことにさかのぼる。同42年、現在の川越駅付近の川越町脇田本町に移転した後、昭和44年に現在地に新築された。

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