主張

中国船サンゴ密漁 摘発強め断固たる抗議を

 小笠原諸島や伊豆諸島周辺の日本の領海および排他的経済水域(EEZ)に中国漁船が大挙して押し寄せ、高値で取引される赤サンゴを密漁している。

 日本の法令やEEZを定めた国連海洋法条約に明白に違反する行為だ。中国政府は、自国の漁民の恥ずべき行為を直ちにやめさせなければならない。

 押し寄せた多数の漁船に対する日本側の取り締まりが後手に回ったことも否めないが、見過ごしは許されない。さらなるルール破りを封じるためにも断固とした摘発を求めたい。

 中国外務省報道官は記者会見で、「違法行為に対する法の執行を引き続き強化してゆく」としつつも、日本側に取り締まりを「理性的かつ抑制的」に行うよう要求した。

 自国民が外国に迷惑をかけていることへの反省がないのは、あきれるばかりである。

 密漁目的とみられる中国漁船は9月から目立ち始めたが、先月末からは200隻以上に激増した。自国の港を出入りする漁船の取り締まりが不十分であるなど、中国政府が真剣に防止しようとしているのか疑われる事態である。

 菅義偉官房長官は、政府が中国側に遺憾の意を伝え、再発防止を強く求めていると説明したが、誠意をみせない中国に対しては、より高いレベルで、いっそう強い抗議が必要だ。

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