衝撃事件の核心

1時間で利益100万円、禁断の錬金術「見せ玉」…早大OBが巧妙化させた木の葉を隠すなら森の中

 起訴内容となった一連の株価操作で2人は500万円近い利益を獲得。関係者によると、2人は遅くとも24年には見せ玉の手口を始め、総額3億円以上を得たとみられるという。

1時間で100万円稼ぐテクニックとは

 インターネット取引でパソコンのクリックボタン一つで利益を生み出す現代の錬金術とはどんなものか-。関係者への取材で明らかになった株取引行為を再現してみる。

 昨年2月15日、2人は東証1部上場のカード会社「オリエントコーポレーション」(オリコ)の株に狙いを定め、市場価格より数円上値で約50万株分の売り注文を入れた。上値の売り注文が大量に入ることで、株価がその値に達した時点で大量の売り注文が成立することになるため、投資家の間には「この銘柄は当分、値上がりは難しいだろう」との見通しが広がる。すると買いよりも売りが先行する状況が生まれ、株価が下がった。ここで1株当たり269~271円で約58万株を買い付けた。

 株を安値で購入することに成功した2人は、すぐに先に出していた売り注文を取り消す。もし取引が成立してしまうと、売る気のない株を売らないといけなくなるためだ。大量の発注であれ取り消しであれ、ワンクリックで可能だ。

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