千代田区の神田周辺の「味」を訪ね歩く「神田の老舗『食』めぐりツアー」が、1日行われ、インターネットの公募で集まった25人が参加した。東京大学都市デザイン研究室が企画し、NPO法人神田学会が協力した。
参加者は3班に分かれ、同研究室の学生らをガイド役に、そば店の「神田錦町 更科」、蒲焼きの「うなぎ久保田」など創業100年を超える老舗を各班が数店ずつ回り、外観を見学したり、店主らから店の歴史などの説明を聞いたりした。
ツアーの最後は更科での夕食。「笹巻けぬきすし」や「松栄亭」の洋風かき揚げなど、老舗の名品を少量ずつ弁当箱に詰め込んだ「江戸神田百年弁当」を味わった。
参加者のうち、神田の米菓の老舗が実家で、跡継ぎ修業中という鈴木壮さん(27)は「戦争や関東大震災の火の手を切り抜けて続いている歴史や、その日限りの食材でやっていた保存方法がなかった時代の話など、とても勉強になった」と話していた。
神田学会の大津美有貴さんによると、100年の老舗の味を一つの場所に集めるのは難しく、弁当づくりには各店が喜んで協力してくれたという。