産経Health

「歩いてしまう街づくり」で健康に

 ■医療経済研究機構がシンポ

 団塊の世代が後期高齢者となる2025年問題が迫る中、医療や介護などの社会保険制度をどう維持していくかを探るシンポジウムが21日、東京都内で開かれた。講演した筑波大大学院の久野譜也教授は、自動車の普及により、特に地方で肥満が増え、生活習慣病の増加も比例している現状をデータを挙げながら紹介。また、自動車で移動が容易になったため、人口が増加していないにもかかわらず、地方で中心市街地が遠方まで広がっていることを指摘し、「今後の人口減少局面でより空洞化しやすくなり、健康面だけでなく、行政の効率面からも放置できない」と語った。

 久野教授は住民にもっと歩いてもらうためのモデルケースとしてドイツ・フライブルク市の取り組みを挙げ、40年前に中心市街地への車の進入を禁止し、LRT(次世代型路面電車)を整備することで、「自然に歩いてしまう街づくりに成功している」と語った。

 シンポを主催した医療経済研究機構の西村周三所長は基調講演で、高齢者が激増する日本では80歳以降に医療・介護の費用も急増するとのデータを提示。これらの世代は何かしらの病気を持っているとしたうえで、「単に病気でないことを健康としていいのか。おいしく食事ができるといった新たな概念も必要なのでは」と健康概念の再考の必要性を訴えた。