正論

「特区」活用し東京の力高めよ 慶応大学教授・竹中平蔵

 2014年の世界の大都市ランキングが明らかになった。東京は昨年と同様の4位。政府の成長戦略では、このランキングを3位に引き上げることを目標の一つに掲げている。今年の指標を読み解くと、東京に対する希望と懸念が浮かび上がってくる。今こそ、国家戦略特区の枠組みを最大限駆使して、思い切った改革を断行するチャンスだ。

 ≪パワーシティーも夢でない≫

 このランキングは、森記念財団都市戦略研究所が08年から始めたもので、GPCI(Global Power City Index)と名付けられ、今年で7回目。以前から金融都市ランキング、防災都市ランキングなどはあったが、総合力に関するランキングは存在しなかった。かつ、この種のランキングは欧米の機関の作成するものが中心で、日本発のランキングで影響力のあるものは、ほとんど存在しなかった。7回の実績を重ね、いまではGPCIは世界で用いられるようになった。

 70の指標を総合的に評価した今回のGPCIには、いくつかの明るい情報が含まれている。まず総合順位は、1位ロンドン、2位ニューヨーク、3位パリで変わらなかったが、東京はパリに肉薄し、間もなくこれを追い越すというシナリオが明白になってきた。

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