豊臣家滅亡を描いた小説 「城塞」展始まる 司馬遼太郎記念館 

 作家、司馬遼太郎さんが戦国乱世の豊臣家滅亡を描いた歴史小説の世界を紹介する企画展「『城塞』-司馬遼太郎が描いた大坂の陣」が28日から、東大阪市下小阪の司馬遼太郎記念館で開かれる。直筆原稿をはじめ、作者自身が挿絵画家のために描いたイメージ画など34点を展示。執筆当時の雰囲気を感じながら司馬作品に迫ることができる。

 今年と来年の「大坂冬の陣・夏の陣400年」に合わせた企画展。

 『城塞』は昭和44年7月~46年10月、「週刊新潮」に連載された。豊臣秀吉没後の大坂城を舞台に、大坂の陣の発端から豊臣家滅亡までを描いており、徳川家康や淀殿・秀頼親子、戦国武将ら多くの人物が登場する司馬さんならではの群像劇だ。

 初公開となる『城塞』冒頭部分の自筆原稿や、挿絵を手がけた画家・三井永一さんにイメージを伝えようと作家自らが描いたスケッチなどを紹介。上村洋行館長は「大きな変節期となった時代を司馬さんがどうとらえたか、体感してほしい」と話している。

 来年5月17日まで。月曜休館(祝日の場合は翌火曜)、12月10日~来年1月5日は工事のため臨時休館。問い合わせは同記念館((電)06・6726・3860)。

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