劇場型半島

「正恩」に会えず、最大理解者の後ろ盾機関も風前の灯火で「朝鮮総連」危機

 訪朝には、商工人側の代表も同行したが、最高人民会議開催前には日本に引き揚げたという。一連の在日商工人らの態度からは、シビアなビジネスに携わる者ならではの日朝関係に対する冷めた見方がうかがえる。

つえつき現れた代弁者

 許氏ら一行の歓迎の宴に病気を押して、つえをつきながら参席した一人の老幹部がいたとされる。

 朝鮮総連を指導する北朝鮮の工作機関「225局」を取り仕切る康寛周(カン・グァンジュ)=通名・姜周一(カン・ジュイル)=氏だ。重い病を患い、公の場に姿を見せるのはまれだという。死亡説までたびたび流れたりもした。

 康氏は、許氏の「最大の理解者」(日朝関係者)といわれ、朝鮮総連の本国側の代弁者として、要望を政権に伝えてきた。対日利権をバックに強い発言力を保持してきたが、日本政府の対北制裁で日朝貿易がストップすると、225局自体が存続の危機に陥った。

 金正日(ジョンイル)総書記時代末期にも金正恩体制を見越した工作機関の統廃合が進められ、225局は一時、朝鮮労働党傘下から内閣の下に置かれるなど、位置付けが定まらず、現在は対韓国工作に当たる党統一戦線部の事実上の指導下に置かれているという。