劇場型半島

「正恩」に会えず、最大理解者の後ろ盾機関も風前の灯火で「朝鮮総連」危機

 親戚からの手紙は、他の複数の在日朝鮮人にも届いたが、いずれも日朝関係の進展に触れ、まとまった額の送金を求めるなど、判で押したような似た文面だったという。厳しい検閲が行われるはずの北朝鮮からの手紙。受け取った在日朝鮮人らは、送金にたかろうとする北朝鮮当局側の意図を感じたという。

 そもそも北朝鮮側が日朝合意に応じたのは、日本が独自制裁として朝鮮総連幹部らを対象に課してきた再入国禁止の解除を提示したことが大きかったとされる。朝鮮総連トップの許氏らを本国に呼び、直接指示することで、かつての集金マシンとしての朝鮮総連の役目を再機能させられると踏んだようだ。

 だが、制裁解除後も許氏はなかなか訪朝しなかった。本国への献金が思うように集まらなかったことも理由といわれた。結局、今回の訪朝で目安とした1億円を大きく下回る額しか持参できなかったとされる。

 合弁事業などへの在日商工人の参入計画についても取りまとめて本国に報告することも訪朝目的の一つとみられたが、快く投資に応じる商工人はほとんどいなかったという。逆に商工人からは、過去の羅先(ラソン)経済特区などへの進出の失敗から「法律面など受け入れ態勢が整わなければ、到底参入できない」といった苦情ばかりが集まったという。