韓国は血縁重視社会だからその呼称は複雑で、外国人にはなかなか分かりにくい。それも父方、母方で呼び方が違っており、同じオバでも父方は「コモ」で母方は「イモ」くらいは何とかなじんだ。兄弟、姉妹の夫人や旦那となるといつもこんがらがるが、姉や妹がその兄弟の夫人のことを言う「オルケ」は妙な語感なので覚えた。
最近、さる新聞の1面トップ記事に朴槿恵大統領の「外オイ」の会社が最近、羽振りがいいのは怪しい、政府から何か特恵を得ているのではないか?という疑惑ウワサ報道が出ていた。中身はたいした話ではないが大見出しになっている「外オイ」がよく分からない。
記事を読むと大統領の母(故人)の姉(故人)の娘の息子、つまり母方のイトコの子だから「外オイ」という。報道はその人物が大統領の血筋を利用して何かうまい汁を吸っているのではないかというわけだ。いかにも韓国らしい。
一方、大企業の社長に「青瓦台(大統領官邸)の○○秘書官だけど、知り合いの○○を訪問させるから就職よろしく」とニセの電話をかけ、社長に会ってまんまと就職した男がいた。権力をめぐる韓国社会の実情はこれだから大統領は人脈管理に頭が痛い。人間関係には細心の注意を払わざるをえない。(黒田勝弘)