「ムスリムは日本人と生き方似ている」 福岡で講演

 今後、イスラム教徒と接する機会が増えると予想される。福岡アジア文化賞を受賞し、イスラム研究の第一人者として知られるインドネシア国立イスラーム大学ジャカルタ校大学院長、アジュマルディ・アズラ氏は、ムスリムと日本人の共通性を強調した。

 まず知ってほしいのは、イスラムの教えは日本の文化や習慣、つまり日本人の生き方にとても似ているということです。日本人は規律正しく勤勉で、機能的です。清潔で道にゴミを捨てませんし、読書も好きですね。まさに、イスラムの教えと同じなんです。だから、インドネシア人は日本人を大変尊敬しています。

 今、スンニ派過激組織「イスラム国」の問題が世界を震撼(しんかん)させています。イスラム教を怖いと思う日本人もいるかもしれませんが、イスラム国は本当の教えを分かっていない。欧州には特に、出身国の政権に抑圧されていた急進派リーダーが渡っています。そうではなく、欧州に根ざした文化的なイスラム社会もあります。

 インドネシアには、ナフダトゥール・ウラマやムハマディアといった非政府のイスラム団体が存在します。こうした団体は教育や社会福祉、貧困層の援助などに携わっており、政治のリーダーも輩出してきました。民主主義との両立に重要な役割を果たしてきたのです。多彩な宗教が共生するインドネシア社会のキーワードは「寛容と包容性」なのです。

 インドネシアの中間層は経済成長に伴いどんどん増えています。1億2千万人以上といわれ、大部分がイスラム教徒です。実際、ソウルや東京、北京では多くのイスラム教徒を見かけます。先日訪れた京都では、ハラル食品を提供する店が増え、ホテルでは礼拝用マットの貸し出しやメッカの方位を示した図を掲示し、引き出しにはコーランまであり、びっくりしました。

 こうした人々を九州に呼び込むには、福岡市や県などの自治体がジャカルタに事務所を開き、観光客向けの催しや展示会を開催してはいかがでしょうか。福岡空港とジャカルタやバリを結ぶ航空便の誘致にも取り組むべきですし、インドネシア人留学生は東京に次いで大分や福岡が多いので、留学フェアを開いてもいいかもしれません。

 九州をはじめ、日本はイスラム教徒を受け入れやすい土地柄です。日本社会とイスラムの交流は、お互いの利益になるはずです。

会員限定記事会員サービス詳細