防衛最前線

(3)陸上自衛隊ヘリUH60JA 御嶽山噴火の救助で見せた「神業」

 高度3000メートルでの救助活動は危険と背中合わせだ。標高が高ければそれだけ空気密度が低く、ホバリング(空中停止)ではエンジン出力を限界近くまで上げなければならない。真冬であれば空気密度は濃いが、御岳山が噴火したのは暑さが残る9月。こうした悪条件に加え、山頂付近ではあらゆる方向から突風が襲いかかる。強い風を受ければ墜落しかねない環境下に置かれていた。

 また、ヘリは浮力を得るため、空気を下に送る。地表に近づけば降り積もった火山灰が舞い上がりかねない。そうなれば視界が閉ざされ、救助活動は困難を極める。

 これだけの厳しい条件下で任務を果たすことができたのはなぜか。

 UH60は、衛星利用測位システム(GPS)や航路を維持させる慣性航法装置を装備しており、自機の位置を正確に把握できるからだ。航法気象レーダーにより雷雲などを避けることも可能だ。エンジンに異物が混入しないための空気吸入口(エア・インレット)には特殊フィルターも備え付けられており、火山灰であっても身を守れる。

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