9月27日に発生した御嶽山(おんたけさん)の噴火は、犠牲者が50人を超える戦後最悪の火山災害となった。家族を失った人々の悲しみは想像を絶するが、自衛隊などによる懸命の救助活動で一命を取り留めた人も少なくない。
噴火翌日の28日、山頂付近で計23人を救助したのは、陸上自衛隊第12ヘリコプター隊の多用途ヘリUH60JAだ。インターネット上では「自衛隊ヘリがみせた神業」と絶賛する声が相次いだ。
「多用途」というだけあって、UH60の役割は空中機動作戦や災害派遣など多岐にわたる。平成16年の新潟県中越地震や、23年の東日本大震災にも投入された。そんな「修羅場」をかいくぐってきたUH60にとっても、御嶽山での救助活動は難度を極めたという。