異様な状態が続いている。日韓両国にとどまらず、欧米の民主主義国からも批判の声が相次いでいる。韓国は報道、表現の自由に反する起訴をそれでも維持するのか。
あくまで起訴処分の撤回を求める。
韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領に関するコラムをめぐり、名誉毀損(きそん)で在宅起訴された産経新聞ソウル支局の加藤達也前支局長に対する出国禁止措置が3カ月間延長された。
加藤前支局長はソウル中央地検から3度にわたる事情聴取を受けるなど、出国できない状態がすでに2カ月以上続いている。
検察当局による捜査は終了しており、証拠隠滅を図る恐れはない。公判への出廷も確約している。加藤前支局長は逃げも隠れもしないし、その必要もない。
韓国の出入国管理法第4条には「出国を禁止する必要がないと認める際には、直ちに出国禁止を解除しなければならない」とある。第6条には「出国禁止は必要最小限の範囲で行われなければならない」ともある。
加藤前支局長の出国は、当然、認められなくてはならない。
それ以前に、名誉毀損による起訴そのものが不当である。公人中の公人である大統領に対する論評が名誉毀損に当たるなら、そこに民主主義の根幹をなす報道、表現の自由があるとはいえない。