日産自動車がマンション向けに電気自動車(EV)を無償で貸与することが15日わかった。充電器が設置しにくいなどの理由から、同社のEV「リーフ」の購入者のうち、集合住宅の居住者は1割にとどまる。長期モニターとして、住民らに一定期間無料で利用できる機会を設け、EVの普及を促す狙いだ。
宅配ボックス最大手のフルタイムシステムが設置した、認証機能付き充電器がある全国10カ所のマンションが対象となる。モニター期間は2カ月間で、居住者は宅配ボックスでカギを受け取り、自由に乗ることができる。
マンションでは、EVの充電器を設置する際、管理組合の同意などが必要になるケースが多い。このためEV購入を控える集合住宅の居住者も少なくないという。
ただ、最近はEV用の充電器を設置したマンションも普及しつつある。国などの支援で、高速道路やコンビニエンスストアなどの急速充電器も、来年3月には全国で約6千基に急増する見込みだ。
平成22年末に発売したリーフは、今年9月末時点の国内販売台数が約4万5千台にのぼる。リーフ購入者の4割以上が、販売店で行っている試乗モニターを利用しており、日産はマンション居住者をターゲットにしたモニターにより、静音性などEVの特長をアピールし、需要を喚起する考えだ。