路線バスの遅れ具合や待ち時間などが停留所のディスプレーに表示される「バスロケーションシステム」が来年3月から、広島市や呉市など県西部を中心に導入される。ディスプレーは順次、両市の主なバス停に整備。表示対象の路線は県内16市町にまたがり、ディスプレーがないバス停でも、スマートフォンなどの携帯型通信端末で運行状況を知ることができる。
バス会社などで組織する県バス協会の事業。対象路線で運行するバスにGPS装置を搭載し、位置情報を常時発信することで、「定時運行」とのずれを確認する。これにより、個別のバスごとに把握した運行状況をリアルタイムで利用者に提供できる。
バス停のディスプレーでは、発着する路線ごとに次に着くバスについて行き先、定時の発車時刻、遅れ具合、待ち時間(到着予想時刻)などを表示。通信端末では、利用バス停を選ぶとそのバス停に止まる表示対象路線の待ち時間、利用したバスを選ぶとどこを走っているかが表示される。
来年3月と10月の2段階で導入する予定。3月には広島電鉄(広島市中心部、熊野方面、安佐・吉田方面、呉中心部、焼山方面の各路線)258両▽広島バス(広島市中心部と向洋方面)113両▽広島交通(可部方面)74両▽芸陽バス(全線)110両▽広島空港リムジンバス30両-の計585両にGPSなどを搭載して、システムに対応できる車両とする。
10月には広島電鉄(西風新都・沼田方面、山田団地・井口台方面、五日市・廿日市方面、広・郷原方面、音戸・倉橋島方面、呉広島空港線)258両▽広島バス(小河原方面、井口方面)93両▽広島交通(毘沙門台方面、高陽方面)96両▽備北交通(全線)40両▽エイチ・ディー西広島(同)31両▽第一タクシー(同)37両-の計555両を整備。対応車両は合わせて1140両となる。
一方、バス停のディスプレーは、3月に呉駅前(呉市)の1番、9番乗り場に1基ずつ設置。10月は、広島市の主要なバス停を中心に約40基を設置する予定。
同様のバスロケーションシステムは、福山市を中心とした県東部ではすでにバス3社が協力して実施。利用者が使いやすいよう同協会は、両方のシステムが同じサイトで表示できないか検討する。