江藤詩文の世界鉄道旅

中国・大連 路面電車(1)日本統治時代の面影を残す…車内は意外とハイテク化

 英語を話す人口が飛躍的に増えているといわれ、空港ではほぼ英語で事足りた大連だけれど、路面電車の車掌には、ほとんど英語が通じない。無愛想でめんどくさそうな顔をしながらも、めんどう見がいいのはアジアらしいやさしさで、アジアを旅しているときならではの安心感と親近感を覚えた。

 そうそう、前文で「列をつくらない」と書いたけれど、それは乗降客が比較的少ない途中駅でのこと。起終着点となる「興工街」駅では、ちゃんと何本かの行列ができていた。列は乱れてわかりにくいし、横入りする人、もめている人も多いけれど、その活気あふれる様もまた、旅の思い出の一場面だ。

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