衝撃事件の核心

120キロ元ラガーマンは口論の客を厚底ブーツで踏みつけて死なせ、席に戻って「最後の晩餐」とラーメンセットを完食した

ラーメン屋で隣の客をボコボコに
ラーメン屋で隣の客をボコボコに

元ラガーマンの男は176センチ、120キロの巨体を揺らし、厚底ブーツで何度も何度も倒れた男性の顔を踏みつけた。東京都北区のラーメン店で9月、席の座り方を巡るトラブルから男性客を暴行したとして、警視庁は傷害容疑で足立区小台、会社員、今西伸一郎容疑者(37)を逮捕した。今西容疑者が「たぶん死ぬと思った」と供述したことから、殺人未遂容疑に切り替えて送検。男性はその後死亡し、現在は殺人容疑で捜査している。暴行後、「最後の晩餐」としてラーメンセットを注文し、捜査員が到着しても箸を止めることなく完食した男の素顔とは-。(宇都宮想)

「最後の晩餐」 捜査員の怒号にも平然とラーメン完食

「男が人をけっている」。9月27日午前0時ごろ、東京都北区田端のラーメン店で、客から立て続けに複数の110番が入った。急行した警視庁滝野川署員は、異様な光景を目の当たりにする。

30席ほどの店内のカウンター近くの床に男性があお向けに倒れていた。口から血を流し、頭の周りには血だまりができており、ぐったりとしている。声をかけても、かすかにまばたきをするだけだった。

署員が客の男性に当時の状況を聞くと、男性は震える手でカウンター席の方を指さした。その先には、大きな背中を丸めながら無言でラーメンをすする男の姿があった。その男が今西伸一郎容疑者だった。

「あんたがやったのか?」と詰問する捜査員に、今西容疑者は「ああ、そうだよ」と悪びれずに答えた。捜査員が「メシを食っている場合じゃないだろう!」と声を荒らげると、「最後の晩餐なんだよ。捕まっちゃうからな」と平然と言い放ったという。

同署は傷害容疑で現行犯逮捕。捜査員が無線で署に連絡している間も箸を持った手は止まらず、パトカーに乗り込むまでには完食していた。

厚底ブーツで何度も何度も… 客の制止でようやくやめる

同署によると、暴行を受けたのは、荒川区西尾久の職業不詳、北島久生さん(49)。死因は内臓に損傷を受けるなどした出血性ショックだった。捜査関係者は「相当、強い力がかかったことが推測される」と打ち明ける。

当時、店内では先に入店していた今西容疑者が、カウンター席で餃子と缶チューハイを飲み食いしていた。その後、店を訪れた北島さんが今西容疑者の隣のイスを引いて座ろうとしたところ、そのイスに今西容疑者が足をかけていたため、前につんのめった。

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