ノーベル物理学賞受賞の天野浩教授 研究に没頭「とにかく熱心」 静岡

 高校卒業後はそれぞれ研究者と教育者の道に進み、疎遠になっていた。しかし、平成16年に天野さんがノーベル物理学賞にノミネートされたことをきっかけに、中野さんが当時勤務していた浜松西高校の講演会に天野さんを特別講師として招いた。約25年ぶりの再会だったが、「見た目は高校のときと全然変わっていなかった」と笑う。

 中学生向けの講座では、天野さんはテレビのリモコンなどの身近な道具を使い、デジタルカメラで撮影すれば、肉眼では見えない赤外線を確認できることなどを生徒たちに伝授。中野さんは「生徒を引きつける語りのうまさがあった。研究一辺倒の生活ではなく、教育者としても成長していたんだな」と舌を巻いたという。

 受賞決定後、祥子さんが「おめでとう」とメールを送ると、天野さんからの返信には「これまで育ててくれてありがとう」の一言が。「長男だから、やっぱり親のことを思ってくれていたんだな」と思わず目頭が熱くなった。「浩は自分とはかけ離れた世界の賞を取ってしまった。でも本人は『まだ頑張る』といっているので、体にだけは気をつけてほしい」と話す祥子さん。天野さんの子供時代のアルバムを開き、じっと目を落としていた。

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