阿比留瑠比の極言御免

クマラスワミ報告書に反駁 幻の反論文書を公開すべき

 今月6日の質疑で山田氏が「なかなか良く書けている。日本の立場を説明できる文書だ。ぜひ公開してほしい」と求めたほどで、今読んでも違和感はない。

 ところが、現実にはこの反論文書は撤回され、慰安婦募集の強制性を認めた河野談話や、元慰安婦への支援を行うアジア女性基金の取り組みを紹介した簡略版の文書に差し替えられる。クマラスワミ報告書への直接的な批判は圧縮され、抑制的なものとなった。

 歴史の事実関係は一切争わず、「法的には決着済み」「もうすでに謝罪している」で片付けようという、われわれが見慣れた日本の「事なかれ外交」に落ち着いたわけである。

 とはいえ不思議なのは、当初は日本側も「日本政府として法的に反論すべきことはしていく」(当時の橋本龍太郎首相)などと強気だったのに、その後は反論文書自体をなかったことにしていることだ。

 そもそも、一度は関係各国に配布された公の文書だったはずの反論文書が、現在では日本国民にも「非公開」とされている理由がさっぱり分からない。

 当時、反論文書に対して中国や韓国、北朝鮮などの国や日本の人権派弁護士やNGO(非政府組織)が反発したことは分かっている。ただ、それと政府の方針転換が直接結びついているのかは藪の中だ。

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