日本橋のご当地ヒーロー「地球戦士ゼロス」防犯や環境保護を啓発 大阪

 「くまモン」や「ふなっしー」など数多くのご当地キャラクターが人気を集める中、大阪・日本橋にも個性的なヒーローがいる。今年夏に誕生から5年を迎えた「地球戦士ゼロス」だ。ご当地キャラクターだが、防犯や環境保護を啓発する活動を続け、東日本大震災の被災地にも出張している。昨年1年間の活動回数は約160回に達し、子供や保護者らを中心に人気を集めている。

 ■何気ない会話から…

 「さまざまなご当地キャラクターが存在するけど、(日本橋のある)浪速区をPRするキャラクターはいないんちゃう…」

 平成21年、日本橋にある販売店の店員らが、こんな会話を交わしていた。かつては全国屈指の電気街だった日本橋も近年は客足が少なくなり、なんとか活性化したいという思いからだった。

 「キャラクター自身が話して啓発活動できれば、距離が近くなり、親しみやすく、愛着を持ってもらえるかもしれない」

 そう考えた映画監督の経験もある店員が早速、デザインや設定を構想。それを別の店員の田中征一郎さん(29)が肉付けし、アニメ関連商品の販売も多い日本橋らしいキャラクターに仕上げた。

 ■全国区の知名度に

 ゼロスは「犯罪ゼロ」や「環境破壊ゼロ」「公共マナー違反ゼロ」を啓発するヒーロー。浪速区出身の男性販売員「浪速人(なみはやと)」(20)として普段はゼロスであることを隠し、大阪市内で働いている-という設定だ。

 ひったくり犯罪をする敵「戦闘員ヒッタクラー」、不法投棄された産業廃棄物などから生まれ、ごみや有害物質を一晩で100倍に増やす敵「怪人ゴミーラ」など、ユニークなキャラクターも生み出した。

 地域貢献を目的としているため、制作した店の名前をPRしたり、出演料をとったりすることは原則していない。

 ヒーローのスーツ制作費は一般的に120万~150万円程度かかるが、ゼロスの制作費や活動費は店側が全額負担している。

 ゼロスは21年8月ごろから活動を始めた。商業目的の出演依頼は基本的に受けず、府警主催の防犯啓発イベントなどに協力し、保育園や幼稚園にも出掛けて公演。自転車の交通ルールやごみの分別方法などを丁寧に指導する姿が、たちまち子供や保護者らの人気を集めた。

 大阪市外でも地名度が高まり、23年の東日本大震災後は、福島県や宮城県などでも復興支援イベントに出演。いまや知名度は全国区となっている。

 ■出演依頼めじろ押し

 田中さんによると、ゼロスのように特定地域を拠点に活動するヒーローは、全国に少なくとも500体以上存在する。

 ご当地ヒーローの活動は一般的に月1~2回程度だが、ゼロスは月10回以上と異例のペース。今後も東日本大震災の被災地支援イベントなどに出演依頼がめじろ押しだ。

 子供や保護者だけでなく、最近では20代の女性ファンも増えており、ゼロスを一目見ようと、はるばる海外から訪れる外国人観光客もいるという。

 田中さんは「さらに日本橋が誇るヒーローとして成長させ、地域を活性化させるとともに、防犯や環境保護の活動を通じて社会貢献もしていきいたい」と話している。

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