震災時の小中校対応を教訓に 宮城県教組が冊子 実名体験記も

 県教組は30日、東日本大震災発生時の県内小中学校の避難行動や教訓などをまとめた冊子「子どもの『いのち』を守りぬくために 東日本大震災を心に刻む」を発表した。県内では震災で261人の小中学生が犠牲となっており、冊子は災害時の学校の対応や防災教育のあり方について教訓を伝えている。

 震災時の小中学校の対応を検証するため、県教組が平成24年3月と同6月に発行した冊子の続編。県教組が県や市町への情報公開制度を利用して調査し、県内34の被災小中学校での避難対応などをまとめた。

 冊子では、県内の小中学生がどのような状況で犠牲になったかも分析。犠牲になった6割以上が地震後に自宅に帰ったり、いったん避難してから自宅に戻ったりして避難行動を優先していなかったことが分かった。冊子では「大震災から巨大津波へ連想し避難を最優先する危機回避予知力に課題がある」として、教育現場で子供の意識を向上させる必要性を訴えている。

 また、多くの子供が学校以外の場所で犠牲になったことも指摘。調査に関わった宮城教育大の千葉保夫非常勤講師は「学校での避難訓練だけでなく、学校で学校以外の避難路も学習させたり、親や地域の人々が一緒になって子供の判断力や情報収集力を育てたりするような教育が必要」と話した。

 冊子には、被災した中高生43人の実名による体験記も掲載。震災当時の生々しい状況や震災から3年がたった思いをつづっている。

 冊子は県内の全小中学校と県市町村教委に配布されるほか、希望者からの申し込みも1冊千円で受け付ける。申し込みはFAXで県教組(電)022・274・2130へ。

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