主張

新幹線50年 成長から成熟の出発点に

 東海道新幹線が昭和39年、東京五輪の開催に合わせ開業してから、1日で満50年になった。この半世紀で路線網は東北や九州に広がり、来年3月には北陸新幹線も東京-金沢間で開業する。

 膨大な建設コストゆえに厳しい批判も浴びてきた「夢の超特急」ではあるが、戦後の日本経済を引っ張ってきた事実は否定できないだろう。

 なにより、高速鉄道で50年間も死亡事故ゼロという安全性は、世界に誇っていい。悪天候や事故の影響も含めた遅延時間も、平均で1分を切る。運行システムの正確さも飛び抜けている。

 「ものづくり日本」の評価が揺らぎ始めている今、新幹線の半世紀を改めて振り返ることで、より成熟した技術立国再建への出発点にしていきたい。

 新幹線が登場するまで、東京-大阪間は、特急でも6時間半を要した。それが、現在では2時間半を切る。東阪間の出張は、日帰りが当たり前の時代になった。

 JR東海が年内着工を目指すリニア中央新幹線が完成すれば、東阪間は1時間強に縮まる。これは互いが通勤圏に入ることを意味する。移動時間の短縮は、日本人の仕事や暮らしのスタイルを、根本から変える可能性がある。

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