産経Health

鬱病など気分障害 スマホアプリでセルフチェック

【産経Health】鬱病など気分障害 スマホアプリでセルフチェック
【産経Health】鬱病など気分障害 スマホアプリでセルフチェック
その他の写真を見る (1/3枚)

 現代社会はストレス社会。多くの人がストレスを抱えながら生活しており、実際に医療機関でストレスを原因とする鬱病などの気分障害と診断される患者数は年々増えている。しかし、一般の人にとっては今でも精神科の敷居は高く感じるものだし、そもそも自分は受診した方がよいレベルなのかどうかの判断も難しい。そんなとき、心の状態を自分で手軽にチェックできるアプリが有用だ。

 『アン-サポ』とは、自分で心の状態を手軽にチェックできるスマートフォン用アプリ。画面を開くと、「鬱症状」と「不安症状」についてそれぞれ10個の質問が4択で示される。回答すると点数が表示され、点数が低いほど健全な状態と判断される。これを続けていくとグラフ化されるので、日々の心の変化が一目で分かるし、点数が高い状態が続けば医療機関を受診した方がよいということになる。開発者である精神科医、ひもろぎ心のクリニックの渡部芳●理事長は、「心の状態は、一時だけではなく継時的に診ることが大切」と語る。

 継時的に見ることは、鬱病と躁(そう)鬱病の鑑別にも役立つ。今や、鬱病、躁鬱病は、名前を知らない人はいないくらい有名な病気だが、これらが異なる病気で治療法も違うということを知っている人は少ない。医学的には、鬱病は「大鬱病性障害」、躁鬱病は「双極性障害」と言い、統計上も別集計されている(グラフ参照)。治療では、鬱病には抗うつ薬、躁鬱病には気分安定薬が使われる。

 ところが、医師の側もしばしば躁鬱病を鬱病と誤診することがあると、渡部氏は言う。「患者さんが医療機関を受診するのは基本的に気分が落ち込んでいるときなので、短時間の問診で躁状態を見つけることは医師にも困難」なことがその理由だ。その結果、鬱病の治療を行ってもいつまでも改善せず、それどころか躁状態になったときに鬱病が改善したと見誤ることすらある。そんなとき、アン-サポは「鬱症状」と併せて「不安症状」の日々の変化も見ることができるので、鑑別が可能になるというのだ。

 実際に治療中の人にとっては、アン-サポは治療効果の判定にも使える。薬の効果についても、処方された薬を登録しておけば日々の気分変調のグラフと併せて見られるので、どの薬に効果があったかが分かる。精神科領域では、医師が最初から何種類もの薬を処方するケースがあるが、渡部氏は「多剤併用はむしろ害の方が大きい。1剤ずつ効果を見ながら試していく方が患者さんにとってもよいし、無駄な薬を排除できる」と語る。

 このようにアン-サポは、ストレス社会に生きる現代人にとって有効なツールといえるが、渡部氏は「アン-サポはあくまでも診断や治療効果判定の補助的なツールであり、これだけで確定できるわけではない。正確な診断のためには、このデータを基に医師と相談することがなによりも大切」と強調する。

                   ◇

 医療・健康情報の総合サイト「産経health」http://www.sankei-health.com 次回掲載は10月下旬を予定

●=徳の心の上に一

会員限定記事会員サービス詳細