狭山の市民団体が被災地の小学校の修学旅行支援 埼玉

 東日本大震災の被災地の支援活動を行っている非営利団体「気仙沼とともに歩む会さやま」が、宮城県気仙沼市立鹿折小学校の修学旅行を全面的に支援し、狭山市の児童らとの交流行事などを行う。同小の児童らは10月1日から2泊3日の日程で来訪。同会メンバーは「将来復興の先頭に立つ子供たちに思い出と絆を作ってあげたい」と話している。(菅野真沙美)

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 「気仙沼とともに歩む会 さやま」は、狭山青年会議所OBを中心に昨年4月に結成され、狭山市の子供らとともに気仙沼市を訪問したり、狭山市での地域イベントで気仙沼市の産品を販売するなどの活動を行ってきた。

 震災後にメンバーが当時の同小PTA会長と知り合ったのがきっかけで交流がスタート。より支援に特化した活動ができるようにと同会が設立された。

 活動を続ける中で、昨年10月に同小の藤村俊美校長(60)から「被災時に1、2年生だった児童たちにも上級生と同じような修学旅行を経験させてあげたい」と相談があり、メンバーの満場一致で支援が決定。同会が今年4月から市内の中小企業などに応援を呼びかけたところ、今年の修学旅行予算230万円のうち200万円の協賛金が集まった。

 同会の矢馳一郎さん(40)は「震災で他の子供たちが体験できる楽しみができないということはあってはならない。何より子供たちの笑顔で、被災地の人たちを元気にしてほしい」と願いを込める。

 児童らは修学旅行で狭山市や航空自衛隊入間基地、川越市、西武ドーム、東京スカイツリー、浅草寺などを訪問し、1、2両日には狭山市の子供らと一緒に夕食を食べたり野球を観戦する予定。

 藤村校長は「被災地の学校ではいまだに他地域のような修学旅行が難しいので、子供たちは本当に楽しみにしている」。今も気仙沼市内の仮設住宅で生活する同小6年の伊東愛さん(12)は「本当は行くことができなかった修学旅行なのに、『歩む会』の方々から支援を受けて行けるなんて、とてもうれしい。自分もこれからの人生で、今度は支援ができるような人間になりたい」と話した。

 寄付などの問い合わせは同会の矢馳一郎さん(電)080・2148・5558。

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