解答乱麻

発想新たに「異才」を育てる B&G財団専務理事・菅原悟志 

 プロ野球で近鉄やオリックスを優勝に導いた故仰木彬監督は選手育成でも見事な手腕を発揮した。のちに米大リーグで活躍する野茂英雄やイチローの才能をいち早く見いだし、変則フォームをいじらずスーパースターに育てあげた話は有名だ。すぐに矯正するのではなく個性を尊重して見守り、潜在的な能力を伸ばす仰木監督の手法は、子育てや学校教育にも参考になるエピソードだ。

 現在不登校の児童や生徒は全国に数多くいる。いじめや学校での人間関係、学業不振など原因はそれぞれで異なる。なかには記憶力や計算能力がずば抜けて優れていたり、音楽や美術など芸術分野で特異な才能を持っていたりする子供が不登校になる場合がある。飛び抜けた才能を有するがゆえにコミュニケーションが苦手なことや自分のやりたいことを押し通す頑固さが集団生活になじめなくなってしまうのだろう。

 わが国の学校教育は異なる個性と能力を持つ子供に対し、平等で画一的な授業を行ってきた。長所を伸ばすことよりも短所をなくすことに重点を置く減点教育であり、主要教科の総合点数の高い者が評価され優等生と言われる。また服装や行動、価値観までも共有され、横並びの意識が強いため協調性のある人間を育てるには適しているといえる。その半面成長発達の著しい子供の個性や隠れた才能を見つけ出すことはできない。

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