リニア駅周辺に企業本社を 長野県が伊那谷自治体会議に提案

 リニア中央新幹線整備事業を地域振興に結び付ける施策を検討する「伊那谷自治体会議」が17日、県飯田合同庁舎(飯田市)と県庁をインターネット回線で結んで開かれた。県側は飯田市に建設される県内駅周辺に企業の本社機能を誘導して、豊かな自然環境と融合した新しい都市構想を描くことを提案し、了承された。

 今年度初めての会議は、飯田合庁側に飯田、伊那、駒ケ根の3市長と南信州と上伊那の広域連合長ら、県庁には阿部守一知事らが出席。リニア県内駅の地域振興策や交通アクセスなどをテーマに意見を交換した。

 この中で、県の原山隆一企画振興部長は、国土交通省が7月に公表した「国土のグランドデザイン2050」の中で描くリニア中間駅を活用した新しいライフデザインのイメージ図を提示。イメージ図では品川駅から約45分、名古屋駅から約27分で結ぶ県内駅は、南アルプス国立公園と近接しており、大企業の本社機能移転の可能性をもっていることから、自治体会議で具体化を検討していくことを提案した。

 同部によると、グランドデザインは2050年を見据えた国土づくりの理念を示したもの。自然公園に近接した欧米の大企業を例示して新しいライフデザインの実現を描いている。自治体会議では構想をまとめて、国交省が来年度、作成する国土形成計画の地方広域計画(首都圏、中部圏)に組み入れられることを目指す。

会員限定記事会員サービス詳細