国民の自衛官(4)

訓練で妥協許さぬ「生涯現役」 陸自第35普通科連隊・中島健次准陸尉(52)

 陸上自衛隊員の中でも極めて困難な任務遂行が求められるレンジャー隊員。その養成訓練に教官・助教として携わること15回。延べ295人の精鋭を輩出してきた。警察官のレンジャー訓練も担当するなど、自衛官歴33年の大半をレンジャーにささげてきた。

 「男は死ぬまで空元気」が信条。不眠不休に加えて食事も制限され、約35キロの装備品を背負って道なき道を行くなど過酷を極めるレンジャー訓練では、屈強な男たちであっても泣くことが珍しくない。心身ともに追い込まれ、力も尽き果てた極限状態でこそ、自らが元気に振る舞い、隊員の士気を高める。

 「背中で語れる有言実行」を武骨に続けてきた。「生涯現役」を自らに課し早朝6時から筋トレなどの朝練を欠かさない。隊の40歳以上の体力検定では今も1級をキープしている。

 訓練で一切の妥協をしないため「鬼軍曹」と呼ばれる。それは「国民を救うときに不手際は許されないし、完遂したときの充実感を味わってもらいたいから」と願うからだ。

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