スポーツ異聞

過激なスポーツは寿命を削る!? サッカーとALSの因果関係は… 

 嵐のように世界中に拡散し、収束した感のある「アイス・バケツ・チャレンジ」。参加者の中には著名なスポーツ選手も多く、ロナルドやメッシ、ネイマール、日本では三浦知良といった一流サッカー選手もこのムーブメントに参戦した。氷水を頭からかぶるというこの夏のブームは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の認知度を高めるために始まった。ALSはある日、手足の筋肉が麻痺し、機能を失っていく原因不明の難病だが、サッカー選手とこの難病の発症に相関関係があるという海外の研究報告がある。いつの時代もスポーツと病気の関係は謎めいているのだが…。

知られざるALSの真実

 日本ALS協会によると、「氷水バケツ」で集まった寄付が8月末までの2週間で2747万円に達し、昨年1年間の約4倍の額に達したという。見た目にもエキセントリックな運動に賛否両論はあったものの、同協会は「一過性で終わらず、他の難病患者の支援にもつながることを願う」と、この運動に理解を示し歓迎した。

 とはいえ、ALSという病気の存在を今夏のムーブメントを通じて知った人は少なくない。実際、どんな病気なのか症状を知らないまま、「氷水バケツ」のインターネット動画を繰り返し閲覧していた人も多かった。

 国内にALS患者は約9000人。希少な難病であることも、病気に対する無理解を生んでいる。ALS患者の母親との日常をつづった川口有美子さんの力作『逝かない身体』(医学書院、大宅壮一ノンフィクション賞)によると、ALS患者の恐怖は「だんだん身体各部が動かせなくなることと、呼吸が苦しくなること」だという。「自分だけが広大な宇宙にただ独り、ぽっかりと浮かんでいるような孤独こそが、運動神経系の麻痺以上に切なくてたまらない」とつづる。

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