湯浅博の世界読解

日印、似たもの「遠交近攻」で深まる中国の焦燥感

来日したインドのモディ首相の外交手法は、どこかの国の外交に似た「アジア太平洋を俯(ふ)瞰(かん)する外交」ではないかと思えてくる。この9月、京都からスタートしたモディ首相の訪日は、それに続き豪州、ベトナム、そして米国へ太平洋をぐるりとめぐる精力的なものである。

ご存じ「地球儀を俯瞰する外交」を実践するのは、安倍晋三首相である。安倍外交は地球をぐるりと回って表向き経済を後押しするようにみえて、カードの裏で「遠交近攻」外交を展開している。近くの国と衝突が起こらないよう抑止力を高め、遠い国と手を結んでイザというときに備える。

モディ首相は表向き「非同盟」の雄であるから、自らの親日ぶりを極力抑えつつ、中国を意識して発言は慎重に運んでいた。日本が早期実施を求めた外務・防衛閣僚協議(2プラス2)に対しても、共同文書は「対話を強化する方法を検討」とするにとどめている。

民族派を代表するモディ氏であっても、中国がインド経済に与える影響は軽視できないようだ。日印が準同盟のようにとらえられることを避けつつ、連携強化の「特別な戦略的パートナーシップ」であると共同声明に織り込んだ。