みちのく昔話 伝説を訪ねて

黄金崎不老ふ死温泉(青森・深浦町)

冒険魂かき立てる海賊のお宝

 青森県の西海岸・深浦町にある「黄金崎不老ふ死温泉」。日本海に沈む夕日を眺望しながら露天風呂にゆっくりつかるという絶好のシチュエーションが最大の売りだが、実は海賊の埋蔵金伝説があるという。真偽の程を確かめるべく、約3時間かけて車を走らせたが、伝説にまつわるさまざまなエピソードがあった。

 その伝説とは、戦国時代、この地で勢力を誇った黄金崎銭衛門という海賊が沖合を航行する北前船から奪った莫大(ばくだい)な金品を同温泉近くに隠したというもの。

 地元事情に詳しい同温泉の3代目、西崎義三会長(77)は、小学生の時にこの話を聞いたという。

 「当時、この伝説を聞き付けた人たちがリュックサックを背負って穴を掘る道具を持って探しに来る姿を見かけた」。マニアの間で「黄金崎伝説」は瞬く間に広がり、昭和40年代に入っても県内外から大勢の人たちが宝探しに来たという。

 「まさかここに埋蔵金を残しておくはずがない」と見向きもしなかった西崎会長だが、その存在を信じて疑わない人がいた。以前からこの伝説に興味を持っていた同温泉の創始者、小宮山利三郎さん(故人)だ。小宮山さんは西崎会長と顔見知りである日、馬を放しておいたら足に漆がいっぱいついてきた-という記事が載っていた大正時代の新聞を手に西崎会長の下を訪れ、「この辺りに財宝があって腐敗を防ぐために漆を塗ったのではないか」と話したという。

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