衝撃事件の核心

消えたスクエニ「ハイスコアガール」警察の強制捜査を呼んだ著作権「なあなあ認識」のツケ

 たとえばゲーム大手「カプコン」(大阪)。同社のゲーム「ストリートファイター」も作中で数多く登場するが、連載開始時から使用許可を取っていたという。「ドラゴンスピリット」などが使われた「バンダイナムコゲームス」(東京)も同様だ。

 また、「バーチャファイター」などのゲームが使われた「セガ」(同)は、担当者によると、約2年前にスクエニ社が申請にやってきた。しかし、すでに連載は始まり、一部のキャラクターが無断で使用されていたため、セガ社は「厳重に抗議した」。

 ただ、ゲームのPR効果も期待できるとして、今後はキャラクターが使用されている部分を事前に確認することを条件に、許諾したという。

 結果的に、SNK社とこれらの社との間では対応が異なっていたことになる。

“なあなあ”の著作権

 「個人的な利用でなく、商品化されて販売対象になるものであれば、曖昧な対応では許されない」

 前出の藤川弁護士は今回の事件についてこう述べた上で、「日本は優れたコンテンツを生み出しているのに、著作権に対する意識が高いとはいえない」と、著作権法の厳格な適用という視点を提示する。

 日本の漫画やアニメ、ゲームは近年、高いクオリティが「クールジャパン」と呼ばれて海外で評価され、日本経済を支えるコンテンツ産業として期待されている。だが、海外ではこれらを違法にコピーした海賊版が横行。文化庁が昨年公表した推計では、中国の4都市だけでも、海賊版による被害は約5600億円に上った。

 元文化庁著作権課長で、政策研究大学院大の岡本薫教授(政策科学)も「海外で海賊版がなくならないのは、著作権者が裁判所に訴えないから。日本人が訴訟を嫌うことが背景にある」と指摘する。

 著作権をめぐる訴訟件数は欧米に比べると圧倒的に少ないといい、「国内での判例の積み重ねがないために、著作権の保護範囲が不明確なのが現状だ」。

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