みちのく昔話 伝説を訪ねて

化女沼伝説(宮城・大崎市)

 今の時期、沼の水面はヒシやハスといった水生植物が覆う。ダム化の後、水面上昇などの影響で植物の種類や個体数が減少したり、姿を消したものもあるという。「それでも、たくさんの貴重な植物が生息している。植物の豊かさが、鳥類や昆虫の豊かさにつながる」と沼周辺の植物を調査している高橋さんは強調する。沼は亜種ヒシクイやマガン、オオハクチョウなど渡り鳥の越冬地でもあり、20年に国際的に重要な湿地を保全するラムサール条約の登録地となった。

 一方、沼周辺の道路や公園整備に伴い、来訪者のごみ投棄が問題となっている。毎月1度、沼周辺の清掃作業をしているボランティア団体「長者を想う会」代表の青木永一さん(58)は「故郷の沼をきれいにする意識を若い世代が引き継いでほしい」と話す。

 泉下の長者の姫が安らかに眠れるような環境づくりが、現代に求められているようだ。(石崎慶一)