みちのく昔話 伝説を訪ねて

化女沼伝説(宮城・大崎市)

 化女沼は周囲約4キロのダム湖。かつては農業用水のため池だったが、県が洪水調節や灌漑(かんがい)用水用にダム化。ダム管理事務所の前には、平成7年に完成式典で除幕された「照夜姫」の像が建ち、案内板で悲恋の伝説を紹介している。

 「ダムができる前は、岸辺の樹木や木の枝が沼に覆いかぶさるように生え、今よりも鬱蒼(うっそう)としていた」。こう振り返るのは、沼と周辺の環境保全に取り組むNPO法人「エコパル化女沼」副理事長の高橋和吉(わきち)さん(70)だ。ダム整備に合わせて水辺の木は伐採され、「沼が明るくなった」(高橋さん)という。かつての沼は、今より神秘的で、伝説を醸し出す雰囲気があったようだ。

 長者の娘が沼の水面を鏡に化粧したり、水で化粧していたという伝説もあり、「化粧沼」の別名がある。雨水と湧水が主に沼を満たし、「顔を洗えるぐらいきれいな水だった」と、沼の近くに住む「エコパル化女沼」職員の菅井政治さん(59)は指摘する。