日本人拘束

「未経験者が紛争地に入ったら大変だよ…」報道カメラマンと民間軍事会社元幹部が警告

 1997年のカンボジア内戦以来、アジア、中東など世界の紛争地を渡り歩いてきた横田さん。今年3月にも、シリア北部にあるイスラム国の拠点、ラッカに潜入しているが、日本人のイスラム法学者に同行してラッカのイスラム国の幹部と連絡を取り、承諾を得た上での慎重な取材だった。それでも、トルコ-シリア国境ではトルコ側から威嚇射撃を受けるなど危険な目にあった。

 ちなみに、ラッカでは多くの市民が手作りの「自爆ベルト」を装着、いざというときには敵を巻き添えにする準備をしていた。主婦が「レイプ防止」も兼ねて自爆ベルトをつけたまま台所に立っているという話を兵士から聞いて、事態の深刻さを改めて感じたという。

紛争地で銃は持たないのは常識

 横田さんは、湯川さんが拘束されたとみられるアレッポへの潜入も検討したが、「(反体制派武装組織の)自由シリア軍が『いまは危険だからやめた方がいい』と言うので見送っていた」。プロは現地の情報を何より重視するのだ。

 一方、湯川さんは同行したシリアの反政府組織から止められたにもかかわらず、アレッポへ向かったとの報道もある。それだけでも十分危険だが、銃の所持はさらなる危険を招く。特に、アレッポのように政府軍と反政府軍、イスラム国が三つどもえの戦いを繰り広げている地域では、味方以外の武装している人間は敵とみなされる。

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